負の連鎖は止められる！2023映画クレヨンしんちゃんは3DCGアニメ

3DCGの美しさは人気キャラクターで実現する

うっかりディズニー＆ピクサーなどで3DCGに慣れてしまうと、平面的なアニメに物足りなさを感じてしまう。いやいや、それは良くないことですが、でもあのアニメを3DCGにしたらどうなんだろう？と思って生まれたのが『STAND BY ME ドラえもん』(2014)であり、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』(2019)であり、『ルパン三世 THE FIRST』（2019）、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』(2019)でした。

こう並べるとミュウツーはポケモンだしどれも不動の人気がある原作というのは、そもそも「3GCGアニメーションはお金がかかる」ので、ある程度の固定ファンが確約できるものしか、手をつけられないというのが本当のところ。そう、アニメってお金と手間がかかるんです！

でも3DCGの奥行きを感じる美しい世界で動くあのキャラを見たい！という願いに応えて、なんと『クレヨンしんちゃん』が満を持して3DCG化となりました！構想7年という長い年月により映画化された新作。タイトルはまさに『しん次元！クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 ～とべとべ手巻き寿司～』という歴代クレしん映画における新感覚の体験が待っておりました。

しんちゃんがエスパーに！？

ある日、宇宙から２つの光が地球へ落下。ひとつはティッシュ配りをしていたニートの青年に命中、もうひとつは夕飯を楽しみにしていたしんのすけに命中します。この光により物を自由自在に動かせるパワーを身につけエスパー化したしんのすけ。その彼の元に、地球の危機を救ってほしいと国際エスパー調整委員会の池袋教授がやってきます。実は昔、二つの光が世界に混乱を招くと予言されていたのでした…。

テーマは自己否定からの自己肯定

今回の物語には、「自己否定」も入っていて、ニートの青年・非理谷の心の闇が、彼を暗黒のエスパーにしてしまうという展開。友達もいない彼は、唯一の心の支えだった推しのアイドルも結婚というニュースで、人生どん底を迎えてしまった矢先に黒い光を浴びてしまいます。そんなネガティブ非理谷とスーパーポジティブのしんちゃんが出会ったら一体、何が起こるのか？それが今作の鍵となるんですが、結末は映画を見てのお楽しみということで。

しんちゃん映画でいじめについて話し合おう

更に今も創刊される超常現象など世界の不思議を調べ続ける雑誌「ムー」を完全にモデルにしたであろう雑誌「ヌー」まで登場したりと、親世代も思わず笑ってしまう遊び心も満載です。それもこの本を愛読し、超能力や予言を調べ続ける池袋教授たち大人の姿に、「探究することの面白さ」もちゃんと盛り込んでいました。こうやって『クレヨンしんちゃん』では、親や大人たちが一生懸命頑張っている姿も描いているので、子供から大人まで笑って泣ける人気シリーズになっています。

そして特に今回、親子で見てほしいと思った理由には「いじめ」問題も描いていたから。もし学校でいじめに遭遇したら傍観するのではなく、声に出し手を差し伸べることで「いじめの連鎖を止められる」という真のヒーロー像を教えてくれる本作。

エンドロールに流れるサンボマスターの主題歌「Future is Yours」もしんちゃんにお似合いのアツさですよ！

※この記事は、令和２年度第３次補正事業再構築補助金により作成しました

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